ほんりゅう 2023年3月20日(長谷川)

待遇の悪さから海外へ飛び出した保育士が、非正規にもかかわらず給与が倍以上になり残業もないという。今後は日本人労働者の海外流出増加が予想され、テレビでは「サイレント・ストライキ」と表現されていた▼出生率が低い原因は低賃金や育児制度の不備だけでない。家事や出産・育児の負担の上に「男性並に働け」という〝女性活躍〟の押しつけに対する抵抗として、女性が結婚・出産を回避しているという▼岐阜県の高校入試の倍率が1倍を切った。中三の進路希望調査では、県外に400名以上、海外に約80名が進学し、1200名以上は広域を含む通信制に進学する。岐阜県や日本からの流出だけでなく、学校や学びからの逃避となっているのではないか▼敵基地攻撃能力の保持や軍事費倍増・増税に対し、若者は「危なくなったら海外に逃げる」と考えているから関心が低いらしい。「保育園落ちた日本死ね!」「#MeToo」と声をあげても社会はなかなか変わらない。「同性婚を認めたら国を捨てる人が出る」のではない。様々な「サイレント・エスケイプ」はすでに始まっている。

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