岐阜県人事委員会が給与改定を勧告(10/6)

実質賃金が低下する中、若年層のみの給与引上げは不十分!

10月6日、岐阜県人事委員会は岐阜県公務員の待遇改善のための勧告と報告を行いました。

 

消費者物価指数が前年同月(4月)比で2.3%上昇しています(岐阜市)。これは全ての年代の実質賃金の低下を意味しており、給与の引上げを若年層だけに限定していることは納得できません。公務員が労働基本権を制限されていることの代償としての人事委員会が、公務員の生活を保障する責務を果たしていません。

 

しかも、一番引上げ額が高い初任者でも、引上げ率は約1.6%にすぎません。4月以降、急速な円安とともに多くの商品の値上げが続いており、実質賃金がさらに低下していることを考えると、引上げ対象・引上げ額とも不十分です。


月例給引上げは30台半ばまで

本年の給与勧告のポイント

●給与(月給)

初任給および若年層の給与月額を引上げ

※職員給与が民間給与を下回る較差の解消(852円 0.23%)。今年度4月の給与まで遡及して反映されます。

 

●一時金(ボーナス)

0.10月引上げて4.40月に

※民間のボーナス(4.39月)を下回るため。今年12月のボーナスで調整されます。

人事評価に影響を受ける「勤勉手当」の比率が高くなることは極めて問題です。



岐阜県の4月有効求人倍率は1.61倍で、昨年より0.26ポイント増加しています。低下したままの教員採用試験倍率の引上げのためにも、大幅な待遇改善が必要です。

ボーナス引上げ分が人事評価で減額される可能性がある勤勉手当に充てられることも大きな問題です。

 

「定年引き上げが完成する令和13年度末までに、60歳前後で給与水準を連続する必要がある」との記載も大きな問題で、定年延長制度の「60歳以降に7割に減額」される給与に段差なくつながるように40代後半からの給与が引き下げられる可能性があり、絶対に阻止しなくてはいけません。


人事委員会の「報告」より

  • 人事評価制度は、職員の十分な理解と納得を得ることが不可欠。客観的で公正な評価をすべき。苦情に対しては、適切に対応する必要がある。
  • 定年引き上げで、全ての職員の働き方改革につながるよう、課題を検討すべき。
  • 教育現場では、新型コロナ感染症対策やオンライン授業の導入などもあり、多忙化・長時間勤務の常態化が課題となっている。
  • 業務の合理化、事務事業の見直し、業務負担の平準化、適正な人事配置など、負担軽減につながる実効性のある方策を積極的かつ迅速に講じる必要がある。
  • 長時間労働の是正には管理職の役割がきわめて重要。かつ管理職の負担軽減も必要。
  • 教育委員会は、「働き方改革」を市町村教委にも働きかけていくことが求められる。
  • 休職者の約7割が精神系疾患である。メンタルヘルス対策は特に重要。
  • 健康管理のため、管理職員は職員の状況を把握し、ストレスの有無や心の健康状態の変化を早期に察知し、対応につとめるべき。
  • パワハラ・セクハラ・マタハラなどの防止は重要な課題。性的マイノリティへのハラスメントや差別が生じないよう意識啓発を進めることも必要である。
  • 令和3年度の男性職員の育児休業(6日以上)取得率は、県職員が46.7%に対して教員は9.0%(小中教員を含む)と低い。特に教育委員会は、子育て・介護に関する制度の周知や教職員の意識改革、代替職員の配置に取り組むべき。市町村教委にも促すべき。

給料表ダウンロード

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県立(高校・特別支援学校)給与表.pdf
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