ほんりゅう 2022年2月20日(河村)

「卒業」という言葉がすぐそこにある2月の終わり。生徒たちに贈る言葉に悩む過程で、いつも思い浮かぶ言葉があります。「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」、茨木のり子さんの詩の一部です▼自分の考えたことや感じたことを自分の言葉で語ること。人から思わされたことではなく、自分の考えをちゃんと持つこと。私はそう読みました▼学校には「不思議なこと」がいっぱいあります。子どもたちが先生の質問に答えるために手を挙げること。学びに向かう姿勢を評価されること。教員の勤務時間前に子どもたちが学校にくること。休憩時間がないこと。管理職の指示で働いても残業代がでないこと▼教員になったばかりの頃、「不思議なこと」を自分の言葉にすることはできませんでした。「不思議なこと」を言葉にすると「仕方ない」「当たり前」と先輩に言われました▼組合に入ると「不思議なこと」について一緒に考えてくれる仲間と出会うことができました。「不思議なこと」をようやく自分の言葉にすることができたのです。わたしは一人ではありませんでした▼「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」「あなたは一人じゃないよ」。今年はそんな内容を、自分の言葉で生徒たちに贈ろうと思います。

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