高校の社会科教員（採用当時）になって三十数年。普通科、商業科、工業科、農業科で担任を経験し、理数科や家政科でも授業をした。いわゆる進学校から教育困難校まで、さまざまな生徒と関わってきた。あと定時制や通信制に赴任できれば、岐阜県で学ぶ高校生の全体像を直接自分なりに捉えられると思うのだが、それは年齢的に叶いそうもない▼各学校で設定されている目標を念頭に置きながらも、目の前にいる生徒の成長のために何ができるか考え力を尽くしてきたつもりである。一方でその学校でしか通用しない指導に陥らないようにしたいという思いも持ち続けてきた－「自分は岐阜県の教員として採用されているのだから、県内のどんな学校に赴任しても通用する力量を身につけたい」「どの学校でも生徒それぞれが抱えている願いや悩みを汲み取り、本当に生徒のためになる関わり方をしたい」「普遍的な教育の目的＝人格の完成という観点で教育に携わりたい」。そのためにはさまざまな実践から学ぶ必要があった▼たまたま誘われて加入した組合は、そんな私のニーズに応えてくれた。さらに、初めは考えもしなかった教職員の生活や権利、他県との違い、改善するための主体的な取り組み等々、視野をどんどん広げることができた。若いあなたや経験を積んだあなたとも、共にこれからも成長していきたいと願い、組合への加入を呼びかけます。