新年のご挨拶

平和に生きる未来のため、子どもたちの権利としての教育を力をあわせてめざしましょう

全日本教職員組合(全教)中央執行委員長  蟹澤昭三

 

新年、あけましておめでとうございます。

 日本国憲法が施行されて70年、教育基本法が制定されて70年になる今年、学校現場で働く教職員だからこそ、あらためて「人格の完成」とは何をめざすのか、そのために私たちがすすめるべき教育実践は何なのかを、お互いに交流し、積み上げていきたいと思います。▼いま世界では、貧困と格差を拡大し続けてきたグローバリズムが、民衆からの大きな反撃に直面しています。この問題に関連して、国連は、2030年に向けての目標を採択しています。その第1は「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わせる」ことで、教育については「すべての子どもが、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了」できることを掲げています。▼教育の果たすべき役割は、文化の発展に寄与し歴史を前にすすめると同時に、次世代の格差を縮小し、真に平和で自由な社会をつくっていくことにこそあると思います。国や企業にとって役に立つかどうかという新自由主義的なものさしを教育の場に持ち込むだけでは、子どもたちは押し潰されてしまいます。▼いま必要なのは、子どもたちが、お金の心配なしに学べること、教職員がゆとりと創意を持って一人ひとりの子どもたちの成長に寄り添った教育実践にとりくむための条件整備です。そのための政治の転換と国民的合意を広げるとりくみを、みなさんとともにすすめていきたいと思います。