新学期が始まり1か月。小学校では初めての授業参観が行われたり家庭訪問が行われる時期だ。▼4月、桜の花が散り、みずみずしい青葉に変わりゆくと共に、新入生も学校のしくみに少しずつ慣れてくる。この新鮮さが心地よい緊張感を生み、新学期らしさを演出する。日本には、春の「新学期/入学」がふさわしいと感じる。▼先日、同じ学校で働くという青年教師3人とランチをする機会があった。Sさんは2年目。あまり多くを語らなかったが「昨年度は大変でした」と「苦労した1年間」だったことが表情から伝わってきた。この間、支えになったのが同席した同じ職場の仲間だった。そして、今年度は楽しげに担任を続けている。ランチを共にする姿はまるで兄弟のようだった。「こんな温かい仲間がいれば大丈夫」と感じ、再会を約束して別れた。▼今年度も650名超の新規採用者が学校現場に出た。2012年度は初任者の1年以内の退職者数が10名ときく。事情は様々だろうが、希望をもって就職した仲間が志半ばで退職するのはいたたまれない。▼希望や不安、緊張感の中での新学期。若い先生たちも含め、誰一人欠けることなく、元気で楽しく働ける職場であってほしいと願ってやまない。(岩田)