ほんりゅう 新年にあたって - 岩佐孝

 講師をしている若者が、「今一番嬉しいことは、内にこもったままだった子どもが一歩外へ踏み出したことです」と語りました。担任している子どものことです。また、「実際には、自分の思いが子どもたちに伝わらず思い悩む毎日なのですが・・・」と率直に語りました。

 彼の誠実な姿に希望を感じます。

 高校時代は、「いじめ・いじめられ」の関係でほんとうにたいへんだった子どもたちが、成人して何年か過ぎました。不安定な雇用の者も多くなかなか将来への展望が持てないのではと思いますが、彼らは、その当時の関係が「つながり」となり、そこを拠り所にしています。

 彼らの「つながり」に希望を感じます。
 
 どちらの話にも、ひとりひとりが大事にされない政治や社会の問題が、はっきりあらわれています。事態はそんなに簡単なものではありません。
 しかし、そこにある希望をまず感じとることから始めましょう。そして、その希望を大きくふくらますことに、私たちの持てる力を注ぎましょう。ひとりひとりが大切にされる社会を作っていくために。