ほんりゅう 心配なく学べる教育環境を! - 国枝

 1月中旬のある日、夜11時過ぎに教え子Aから電話がかかってきて、「せんせぇ~、明日までに授業料払えないと大学を除籍になってまう!どうしよう!!」と言う。もちろん、急に言われてもはっきりとした答は出せない。■やつは母ひとり子ひとりの生活で、高校時代からお金のやりくりに苦労していた。それでも、どうしても教壇に立ちたいという思いで、まわりの心配をよそにスポーツ推薦での大学進学を選んだ。■ある意味では心配したことが現実になったのだが、それで済まされることなんだろうか?それにしても「学びたい」という純粋な思いが叶えられない社会って本当に良い社会なんだろうか?■「学費を抑えること」「無利子奨学金制度の拡充」等々、何とかならないものだろうか?■高校の場合でも事態は深刻だ。高校の授業料実質無償化が実現しても、その他にかかる経費までは手が回らず、その部分でお金の心配をせずに普通に高校教育が受けられるかといえば問題点は残る。義務教育での給食費未納問題はまだまだ解決したわけではないし、そこに、子ども手当見直しは現実のものになり、高校の授業料無償化にしても見通しが明るいとは言えない。■私たちの組織も、新しい年度に向け、新たな体制を立ち上げるべく準備が進んでいる。課題山積の教育問題、子どもたちが生き生きと学べる環境を整えていくために、最大限の努力を重ねていきたいものだ。