新任の頃「子どもたちの前ではみんな先生。教員は平等だよ。若いからと遠慮していてはだめだ」と教えられた。その後、担任になった僕に対して進路指導部長は「子どもの一番近くにいる担任が先生の主役」「分掌は担任が指導しやすいように手助けするのが仕事」と言った。クラスで問題行動が起こった時も生徒指導部長からは「担任として、どうしたい・どうして欲しい」と聞かれた▼「教職調整額10%へ」「教職大学院修了者の奨学金返済を免除」「小学校教科担任制を小3から」全国的に教員志望者が減少する中、文科省があの手この手を打ち出そうとしている▼問題はそれぞれあるが、特に「新しいポスト(主任教諭)を創設」が大問題だ。「若手教員の指導や助言」業務を担うためとされているが、それは学年や教科や分掌といった教員仲間が集団で行うべきものだ▼教員の世界に教頭、副校長、主幹・指導教諭と新たなポストが作られてきた。組織が「鍋ぶた」から「ピラミッド」へ変化している▼民間企業や役所でのパワハラや不正の背景にはしばしば、「上に逆らえない」ピラミッド型組織の弊害が指摘される。上意下達がより強力となった学校で、教員に何をさせたいのかも見抜いていくべきだ。
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