ほんりゅう 2024年3月20日(長谷川)

鈴木宜弘東大教授の「今だけ、金だけ、自分だけ」という言葉は、新自由主義が支配する世界の風潮を表すとして広く知られるようになった▼多くの教員はその逆のことを子どもたちに教えていると思う。「目標をもって地道な努力を積み重ねよう」と自らの将来を考えさせ、「自分一人で生きているわけではない」「助け合って生きていこう」と世の中の人への感謝や協力を呼びかけ、「このままでは世界は大変なことになる」と人類の未来を救う道を求めさせる▼日経平均が最高値を更新して勢いづく資産家がいる一方で、能登半島地震にボランティアとして駆けつけたり、ウクライナやガザの人たちに心を痛めたりする人が多数いる。何事も自己責任とする新自由主義の力は強大だが、広く支持されているとは思えない。災害や戦争被害は自己責任ではない▼自民党裏金問題。自ら責任を負おうとする政治家がいないのが心底頭にくる。「美しい国」「世界に誇れる日本人」と言っていた人たちは批判もせず沈黙するのみだ。嵐が過ぎ去り、国民が忘れるのをひたすら待っているように見える。森友・加計学園、桜を見る会、旧統一教会と、自民党政治家はさしずめ「票だけ、金だけ、疑惑だらけ」と言えるのではないか。

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