ほんりゅう 2022年9月20日(長谷川)

3年振りの文化祭が終わった。3年生にとって最初で最後の文化祭がとにかくできて良かった。しかし、成績にも進学・就職にも、もちろん金にもつながらないことに、なぜ高校生は打ち込めるのだろう。答えは「それが高校生だから」▼金がない、時間もない状況だが、調べる・考える・相談する・作る、時には外部との交渉で突破していく。授業にはない貴重な経験だ。授業中には小さくなっている生徒が能力を発揮したり、「生きづらさ」を感じているような生徒が「居場所」を見つける姿を見るのも嬉しい。「主体的・対話的で深い学び」が見られる▼授業改革が主眼の政策を主導した経済産業省は、停滞する経済を復活させる、これからの時代を「生きる力」を持った人材を求めている。しかし今の日本を見ていると、身につけるべき「生きる力」は、社会を変える力ではないかと思う▼旧統一教会の信者2世、7人に1人もいる子どもの貧困、育児放棄や虐待、性被害などがあっても救いを求めることができず、求めたとしても何も援助されないまま放置されてきた。そんな社会を変える力こそ、必要な「生きる力」ではないか。それを「自己責任」「家庭の責任」と押し込めようとする政治を変えなくてはいけない。そのための「主体的・対話的で深い学び」をすすめたい。

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