ほんりゅう 2021年2月5日(長谷川)

多分最後となる担任がもうすぐ終わる。僕自身が楽しみにしていた体育祭も文化祭もできなかった。生徒たちが三年間を費やしてきた大会・競技会・コンクールも多くがなくなった▼卒業を前にLHRで「今書き残さないと忘れてしまう自分の思い」をテーマに自分への手紙を書かせた。その日の当番日誌には「いろんな行事がなくなった一年だったけど、思い返してみると、いろんな思い出があった」とあった。生徒なりに部活や休み時間、登下校、その他の時間に楽しみを見いだしたのなら救われる▼アリストテレスは「人間が生きる目的は幸福となること」と考えた。もちろん「幸福」は単純ではないし、人によって何が「幸福」かは異なる。ラッセルは、自分に関心を持ちすぎる人は不幸になると考え、「自分の外に幅広く関心をもつこと」と「他者や物に対して、できるだけ友好的にすること」が幸福になると考えた▼アメリカ独立宣言にも日本国憲法にも「幸福追求権」が記されている。人は幸福になろうと生きていくし、幸福を追求する権利がある▼僕はこの一年がとても幸福だったが、生徒たちが「幸福を追求する」ための力やチャンスを提供できていただろうか。願わくば、自分だけでない幸福のため、皆が幸福となれる社会をつくるために生きていって欲しい。

クリックで拡大します。
クリックで拡大します。