ほんりゅう 2020年5月5日(森田)

昨年、学習会で日本語指導の必要な子どもたち(日本国籍・外国籍)の学習保障について勉強した。困っていることの一つが「ダブル(両方)リミテッド(制限)」だ。「二か国語以上話せるのだが、どの言葉も適切なレベルに達していない」どちらも中途半端な状態である▼昔、JICAの学習会で各国の困り事を学んだ。国によって算数、とりわけ割り算の仕方が全く違い、言葉がわかっても学びが遅くなるとか、発展途上国では瓶に書いてある「毒」と「薬」の字の区別がつかないとか、算数が出来ずレジでおつりをごまかされるなど…▼今、新型コロナウイルスによって困り事が多い。まず、マスク・外出・仕事や学びなど、制限がありすぎる。オールリミテッドとでも言うのであろうか。県立学校では「オンライン授業」が始まったが、速度・通信量制限のある子は活用できず、教師は一日中、機器の運用調整、教材作りで大忙しだ▼一番大事なのは命である。これだけ制限された日常の中で「困ったらここに電話を」「万が一に備えて二週間分の食事の用意を」「感染者がイジメにあわないように」など、「一番大切なのは命」という対策がほとんどないのではないか。知らない間に命への配慮まで制限されていたことに恐怖を感じた。うがい手洗い思いやり。みんなに明日が来るように。