【マイナンバーカード】取得も、回答も、任意です

 マイナンバーカードが普及していないことについては、皆さんもよくご存じのことと思います。普及率は、2019年9月現在で14%です。何の心配もなくメリットしかないのなら、「圧力」をかけなくても普及していくはずです。しかし、無理やりでも普及をすすめたい政府は、来年9月からマイナンバーカード取得者にのみ7か月間のポイント還元事業を予定しています。

 今年6月、「マイナンバーカードとマイナンバーの利活用の促進に関する方針」が閣僚会議で決定され、文部科学省は公立学校共済組合本部に同様の通知を発出しました。もしかしたら取得推進ポスターが掲示されている職場もあるかと思います。『取得をご検討ください』というチラシが配布されたかもしれません。

 この度、政府の意向を受けて県教委が「マイナンバーカード申請・取得状況調査」を行います。(12月末、3月末の2回。都道府県からの回答を後日公表予定)。しかし個人情報漏えいなどの不安を持っている人に対してまで取得を強制するのは問題です。組合は、県教委に対して今回の調査について要望書を提出し、以下の確認をしました。

  1. マイナンバーカード申請・取得は任意であり、強制されるものではないこと。
  2. 文科省に提出する調査報告表には「未回答」の欄もあることから、回答についても任意であること。

 なお、学校から県教委に報告する内容は該当人数のみであり、回答者氏名までは求めないことも確認しました。

 


医療情報漏れの危険大

Q マイナンバーカードが健康保険証代わりに使えるようになるんだって?

A そうだ。5月に成立した改正健康保険法に盛り込まれている。実施は2021年3月ごろ。政府は13%程度にとどまっているマイナンバーカードの普及率を上げようとやっきで、「保険証として使える」というのも、普及策の一環かもしれないね。

Q 便利になるなら、いいんじゃないの?

A いや、別に便利になるわけじゃない。メリットがあるのは病院や健康保険組合などで、一般市民には関係のない話だ。というより、危ないと思うよ。マイナンバーカードを持ち歩く機会が増えれば、喪失や盗難に遭うことも増えるだろう。

Q カードには大した情報は入ってないでしょう?

A 住所、氏名、年齢が漏れて、ストーカー被害に遭った事件もある。もっと心配なのは、政府が今後いろんな個人情報をマイナンバーカードにひも付けする可能性があることだ。医療関係でも、レセプトや電子カルテ、画像データなど個人の医療情報を一元管理する検討が進められており、それらがひも付けされる懸念がある。

Q 情報管理を徹底すれば大丈夫では?

A 残念ながら、政府機関も民間企業も情報セキュリティーの現状はお粗末。大事な個人情報がダダ漏れになりかねないんだ。


マイナンバーカード

 

「マイナンバー通知カード」とは異なり、申請によって発行されるICチップが付いているプラスチック製のカード。顔写真、氏名、住所、生年月日、性別およびマイナンバーが表示される。