ほんりゅう 11月20日(小藪)

大学入学共通テストの英語民間試験が見送られることになった。萩生田文科大臣の「身の丈」発言が決め手になったといわれている。以前より多くの問題点が指摘されていたが、特定の業者と結びついた政治家のゴリ押しが混乱を長引かせたとも指摘されている▼最近メディアでの取り上げがめっきり少なくなったが森友・加計疑惑では首相の取り巻きと官僚による、政治の私物化・「忖度文化」が注目された。真実が隠されたまま衆議院が解散され、政治不信がさらに深まった。わずか2年前のことだ▼モリカケ問題にはもう一つ重要な利権疑惑があった。小学校や大学の創設、さらに設立後の補助金なども加えると、投入される税金は数百億円にもなる。今回の民間試験や大学入学共通テストには50億円を超える予算が要求されている▼これまでも、学校教育が国民を競争させて分断したり、統制したりする手段とされたり、イベントへの無償の動員源程度にしか見なされていないのでは、と感じることもあった▼「教育は人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会」形成の礎となるはずのものだ。それを為政者とその仲間が自らの金儲けのために利用することを許してはならない。