月例給引上げは若年層のみ、ボーナスは0.05月分増で4.5ヵ月へ
10月10日、岐阜県人事委員会は、県職員給与等の勧告、勤務環境等の報告を行いました。
6年連続で給与・ボーナスともに引き上げたことは評価できますが、引き上げの対象は30代前半までの職員のみであり、中高年層は引き上げが行われない勧告です。
また、引き上げ率(0.09%)は消費者物価指数・前年度比+0.8%(2019年4月)より低く、さらにこの10月から消費税が2%増税されたことも考慮すると、生活がまったく改善されない低額勧告です。
ボーナスの引き上げ0.05月は人事評価に関わる勤勉手当に配分され、教職員が萎縮してしまうことにつながります。一方で長時間労働是正・ハラスメント防止など期待される報告もあります。
教員の給与については、この後、県教委から組合へ提案されます。改定された給与・ボーナスは本年度4月に遡って調整されます。
本年の給与勧告のポイント
月例給・特別給(ボーナス)ともに引き上げ
○給与
平均318円(0.09%)昇給
※初任給及び若年層(30代前半くらいまで)の給料月額を引き上げ改定
※中高年層および再任用者は改定無し
○期末・勤勉手当
4.45月→4.50月(年間0.05月引上げ・勤勉手当に配分)
【期末手当2.60月 勤勉手当1.90月】
※再任用者は改定無し
○住居手当の見直し
本県の民間企業における住宅手当の動向、他の都道府県の動向等を注視しつつ、見直しの時期や内容等について検討を行っていく。
公務運営の改善等に関する報告の骨子
<本年の報告のポイント>
1 人材の確保と活用
○多彩で有為な人材の確保
・将来を見据え優秀な人材を確保していくため、試験方法について一層の工夫を検討していくことが必要
○人事評価制度の適切な運用
・制度の周知、問題点の把握、研修の実施等の取組とともに、人材育成の観点で有効に活用することが必要
○女性職員の活躍促進
・引き続き女性職員が十分に力を発揮できる適材適所の人事管理を推進することが必要
○若手職員の育成
・所属で職員を育成する職場風土を醸成しながら、組織全体で若手職員の育成に取り組むことが必要
○定年の引上げ
・高齢層職員の能力及び経験を本格的に活用することが必要。国や他の都道府県の動向、民間企業の状況等を踏まえながら、定年の引上げに向けた様々な課題について検討していくことが必要
2 勤務環境の整備
○勤務時間等に関する取組
・長時間労働是正のため、時間外勤務の縮減、休暇を取得しやすい職場づくりなどの取組を進めることが必要
○ワーク・ライフ・バランスの推進
・次世代育成支援の制度を利用しやすい勤務環境の醸成と職員に対する啓発が必要
○職員の健康管理
・職員のメンタルヘルス問題に対し実効ある対策等に取り組むとともに、特に豚コレラ防疫措置や大規模災害など緊急事案に対応する職員の心と体の健康管理について、充分な対策と配慮が必要
○ハラスメント防止対策
・調査や相談窓口の周知、相談しやすい体制の充実とともに、発生防止につながるよう職員への研修等による意識啓蒙を図ることが必要
○障がい者雇用に関する取組
・障がい者の能力が十分に発揮できるよう、必要な環境整備、合理的配慮の提供並びに職員への研修等による意識啓蒙を図ることが必要
○すべての職員の意欲と能力を引き出す環境の整備
・すべての職員の意欲と能力を最大限に引き出していくことが重要。また、会計年度任用職員制度が令和2年度から導入されることに伴う勤務条件等の整備が必要
3 公務員倫理の確立等
・職員一人ひとりが、県民の信頼と期待に応えられるよう職責を果たすことが必要
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