ほんりゅう 10月5日(長澤)

先日、久しぶりに飲み会の幹事をした。今はネットで多くの店を予約できる。客としては割引やおまけがついておトクである。店にとっても昔のように口コミだけに頼っていた頃とくらべると集客しやすくなっているのだろう。どちらにとってもウィンウィンのはずだ▼しかし、予約をしておきながら来店せず、連絡も取れなくなる無断キャンセルが深刻化しているという。対面も会話もせずに気軽に予約できる分だけ、抵抗感もなく気軽にキャンセルできるのだろうか▼経産省関係の報告書によると、飲食店の予約全体のうち無断キャンセルは0・9%。2千億円規模にもなる損害に対して、カード情報の入力や保証事業といった対抗策も登場しているらしい▼インターネットの普及は数十年前とくらべて社会を大きく変え、人の考え方や行動も変えつつある(いや、変えてしまった?)。教育の世界もICT環境の整備とかSociety5.0への対応とか、今後も影響を受け続ける可能性がある。その際、新しい動きを無批判に受け入れているだけでは、ネットの向こうにいる生身の人間に対する思いやりを育てていけないのではないだろうか。「ほんもの」との関わりを大切にしたい。