【談話】中学生「転落死・いじめ」への最大限のケアと厳正な調査、対策を強く求めます

7月9日、岐阜教組は7月3日の中学生転落死報道を受け、書記長談話を発表しました。


【談話】中学生「転落死・いじめ」への最大限のケアと厳正な調査、対策を強く求めます

 

2019年7月9日 

岐阜県教職員組合 

書記長 長澤 誠 

 

 7月3日、岐阜市の中学生の転落死が報道され、同5日午後の記者会見で早川三根夫教育長は「いじめがあったと認識を持ち、原因の究明に当たります」と述べました。転落死がいじめに起因しているならば、私たち学校に勤務する者にとって、これほど悲しいことはありません。

 尊い命が失われ、新しい事実が知らされる度に、なぜ未然に防げなかったのかと無念でなりません。「心配です。自分でできることはやりたいので私も戦いたいです。(先生の)力を貸してほしい」と訴えた同級生の言葉が、頭から離れません。まずは、ご遺族、生徒たちへの最大限のケア対応を強く要望します。

 

 生徒が通っていた中学校の校長が記者会見で「情報共有されない態勢に甘さがあり、いじめを認識できなかった。情報が共有されていれば防げた可能性が高い」と述べています。なぜ情報の共有ができなかったのか、その原因を究明することが重要です。その際、個人の責任に帰結させることなく、学校教育全体の問題として捉える必要があります。

 情報共有がなされず生徒に寄り添えなかった背景には、学校現場が多忙を極めていることがあります。「働き方改革」が叫ばれていますが、現実には長時間・過密労働は解消していません。過度に研究や研修が優先される学校現場では、教職員が子どもたちと向き合える時間が削られています。この改善がなされないままでは、学校本来の役割を果たすことができません。

 

 私たち岐阜県教職員組合は、教育の出発点として、教職員が一人一人の子どもたちに寄り添い、ゆったりと向かい合えることこそが最も大切だと考えます。二度と同じ悲劇をくり返さないために具体的な手立てを講じると同時に、すべての学校で教職員が子どもたちと向き合うことを最優先できるよう、職場環境の抜本的な改善を強く求めていきます。

 

以上