ほんりゅう 5月5日(岡山)

昨年度、小学三年生で英語を教えた。デジタル教科書には動画やチャンツ(英文を一定のリズムで歌うもの)があり、子どもたちは画面に集中する▼しかし、テレビから流れる会話を聞いて発音するとなると、速くて長い会話文を真似て発音することは難しい。以前の外国語活動では、簡単な会話に言葉をいろいろ変えて、慣れ親しむことができた。今は会話を楽しむ余裕もなく教科書に合わせて次々に進んでいくことになる▼驚いたのは、基本文を学ぶときに難易な言葉が多く出てくることである。「これは蛾(moth)ですか」「ゴリラ(Gorilla)ではなく蜘蛛(spidar)です。」「これは木(tree)です。見てください、ふくろう(owl)がいます」等々。基本文が難解な言葉によって訳の分からない文になり、真似て発音しようという意欲が失せる。子どもは「分からん」を連発し他事をし始める▼以前のように、会話を楽しみ、ゲームで自然に英語が身につく活動を行う余裕はもうなくなるのだろうか。子どもたちが意欲的に取り組む授業にするために、遊び気分のリラックスした活動が必要である。