ほんりゅう 負けても勝てるが、逃げては勝てない(長澤)

負けても勝てるが、逃げては勝てない - 若い頃、何かの機会に耳にした言葉。困難に直面したとき、上手くいかなかったときに、それを乗り越えるために心の支えとなっている言葉である。この言葉を部活動で勝負に臨む生徒に伝えたこともあった▼「勝ち負け」を「自分の思い通りになるか」「自分の思いが伝わるかどうか」に置き換えたこともある。文化祭などの行事で、生徒と意見が食い違うことがあった。生徒指導のあり方について、ケンカ腰で向かってくる生徒と対峙することもあった。学年会、分掌会議や職員会議で提案に対して先生方と意見をぶつけ合うこともあった。こういう「面倒くさいこと」をいつも避けてしまえばラクだったかもしれない。しかし、「逃げる」だけでは思い通りにならない不満がいつまでも残ったまま、互いの思いが通じ合うこともなかった▼今年の部活動手当改悪に対して、私たちは県教委との交渉を3回も重ねた。多くの署名に支えられて「逃げ」なかった。残念ながら「勝て」なかったが、現場の切実な声を届けることができた。今回の「負け」はいつか「勝ち」につながると信じている。負けても勝てるが、逃げては勝てない。