ほんりゅう 「スマイル0円」(森田)

昔、日本のハンバーガーショップで、スマイル0円の表示があった。私には縁がなく見たことはないが、その意味は社会的に見て様々なとらえ方ができる▼私たち教師の仕事は社会学者A・R・ホッシールドの提唱では「感情労働」だ。バスの運転手、介護士、ホテルやレストランの従業員なども同じで常に「感情」が労働に必要となるのだ。困ったことは、必要以上に笑顔を含めた「感情」が必要になってくるのである。様々な感情の変化からメンタルヘルスがいい状態でなくなり、教師のバーンアウト(昔で言う燃え尽き症候群)も増えているのが課題である▼話は違うが、あいさつ運動は日本特有の不思議な行事であると言われる。海外では知らない人でも笑顔やウィンクをしたりする国もあるし、レストランでは世間話をしてから入店することもある。日本の場合「何名様ですか?」に対して無言・無表情で、「3人」とか「7名」を指で店員に示してしまう。笑っちゃうが現実である▼労働と文化は感情も含むと最近も思うが、SNSでの仮面舞踏会に今月も疲弊して本当に“笑えない”私たちが今も学校にいる。