ほんりゅう 『昭和チップ』 (長谷川)

 

『昭和チップ』という言葉を聞いた。電子機器のICチップのように、一部の人々(多くは中高年)に組み込まれてしまった、見方・考え方・行動のパターンを指すらしい。例として、「すぐに感情的になる(急に怒り出す)」「絶対自分が正しい(謝らない・人の意見を聞かない)」「人と比べる」「すぐ悪者を作る(誰かのせいにする)」「男尊女卑」などがあげられている。教員にも「すぐカッとなる」とか「生徒には謝らない」という方がいそうだし、そういう自分も歴とした昭和生まれで、残念ながら当てはまる点がある。そんな『昭和チップ』が組み込まれた方々が、社会に混乱を引き起こしているという。典型的な例が、次々と起こるスポーツ界の不祥事だろう。今まで問題化してこなかったのは、被害者にも「上には逆らわない」という『昭和チップ』が搭載されていたからと考えるべきか。今、そうした不祥事が表面化する理由として、「ゆとり教育の成果」とする意見がある。つまり、「自分で考える力がついてきた証拠」というわけだ。教育には社会を変える力がある。さて、生徒に話が伝わらないと感じている方、若い先生と話があわないと感じている方は、もしかしたらチップのヴァージョンアップの必要性を考えてはどうだろうか。もちろん自分は日々必要性を感じている。