ほんりゅう 夏休みを前に(井深)

 

  夏休みが終わると、「どこかへ行って来ましたか」と、同僚との間で休み中の成果(?)が話題になる。中学校に勤務していた頃、教材研究に熱心な社会科教師が、何人も一緒に海外へ出かけた。もちろん自腹である。たくさんの生きた資料を持ち帰り、2学期以降の授業で生徒たちを学習の虜にさせた。(自腹の研修では、みんな元を取ろうと必死である)▼私は、と言えば、組合からの補助のお陰で、これまでに多くの学習会に参加できた。昨年12月には、初めての沖縄、一昨年は被災地仙台、8月6日の朝を広島で迎えたこともある。「毎年、この暑い広島に、全世界からこんなに多くの人たちが集結しているのか」と、正直、驚いた▼組合に加入して2年目には、神戸に入り、炊き出しを経験した。祖父母を心配して、横浜から一人でかけつけた中学2年生の女子生徒もいた。生野菜のサラダや温かいスープを、心から喜んで食べてくださった。しかし、廊下に積まれたコンビニ弁当や運動場の隅の穴に投げ込まれた野菜が、食べられないまま捨てられるという事実も目にした。ボランティア活動について生徒たちに語る時、この貴重な体験の重みが幾重にも加わった▼現場は超多忙であるが、夏休みは、まだ、なんとか時間がある。夏休みは義務としての研修だけでなく、権利としての研修(学習会)に、ぜひ、全国へ出かけよう!そこに必ず得るものがある▼組合員にはこうした機会に、多くの補助がある。ぜひ、組合に加入し、一緒に学習会に参加しよう。