ほんりゅう 妊娠したら……「迷惑」?(井深)

 厚労省のマタハラ調査(9~10月)で「迷惑」「辞めたら」といった発言を受けた事例が過去最高の47.3%。先日の組合連県教委交渉に向けての意見交流では、「妊娠」を手放しでは喜べない学校の実態が語られた。育児短時間勤務を申し出ると、異動を要求されたとの発言もあった。危機的な現場の忙しさが背景にある。本来、最も祝福されるべき「新しい生命の誕生」が、必ずしも同僚の笑顔で迎えられない現実を、どう考えたらよいのだろう▼「マタハラの経験は、正社員21%に対し、派遣社員48%」との記事(毎日11/12)を見ると、立場の弱い方たちが職場でより不当な扱いを受けている。現在の合計特殊出生率が1.42と9年ぶりに低下している中で、政府は「一億総活躍社会」に向けた緊急対策として「希望出生率1.8」と「介護離職ゼロ」という2つの目標を示した。「景気のいいかけ声」だが、どうすれば実現できるのかと怒りがわいてくる▼自分の子育ての頃に、男性の育児休業制度があったら使ってみたかったが、現在の勤務の状況で使うことは可能だろうか。岐阜県の男性教員の育児休業取得率は、教育委員会の目標10%に対し、わずか0.8%(2013年度)だ。「あっても使えない」制度になっている▼現場の状況を変えるには、私たちの勤務条件をよくするしかない。職場づくりを進めるとともに、多くの声を集めて、教育委員会等との懇談・交渉を地道に続けていこう。