ほんりゅう 「ピースとハイライト」 - 国枝

 今年、3年生の「世界史B」週3時間(2年生からの継続履修)と、3年で転校してきた生徒の、必履修科目「世界史A」を持っている。世界史Bは32人1クラス、世界史Aはマンツーマン授業なので生徒の反応もよくわかり、楽しく授業を進めている。▼どちらも2学期中間考査を終えた時点で20世紀に入っている。8月に発売されたサザンオールスターズの「ピースとハイライト」という曲で「教科書は現代史をやる前に時間切れ そこが一番知りたいのに 何でそうなっちゃうの?」と問いかけられたが、これに対する答を出そうと思い、今授業づくりに打ち込んでいる。▼歴史を学ぶ(教える)意味とは?現代史といってもどこに比重を置くべきか。歴史を担当する場合、特にA科目では週2時間にいろいろなものを詰め込まなければならないので、何をどう扱うかは授業をする者の腕の見せ所とも言える。▼今回、世界史Aでフランス革命以降の民主主義の展開と、産業社会の発展にしっかりと触れた後、チャップリンの「モダンタイムス」を見てもらった。10年ぶりに取り上げたのだが、この映画から以前にはそこまで気にならなかった格差を自分自身ひしひしと感じたし、生徒もこれをしっかりと受け止めてくれた。これこそまさに「現代社会」だ。次は、32人の世界史Bで、同じテーマで少し多めに時間をかけ、視聴ノートに書き込むような授業に取り組んでみようと思っている。▼今、私たちは「ゆきとどいた教育条件」を求めて署名運動をすすめているが、ここで紹介したような授業は、それでこそ実現可能だと思っている。そういった意味でも、一筆でも多くの署名を集めたいものだ。