「賃金引き下げ」削減率を大きく押し返し、交渉終結

第1回県教委交渉(5月24日=岐阜県教育委員会)
第1回県教委交渉(5月24日=岐阜県教育委員会)

 岐阜県教職員組合連絡会議(以下、組合連)は、今年3月から、国による賃金引き下げの押しつけに反対するとりくみを行ってきました。岐阜県教育委員会(以下、県教委)は6月18日に3度目の提案をしました。しかし、翌19日に県議会に議案提出をするため最終提案をされた時が、結果として最終交渉の形となりました。組合連は、最後まで撤回を求めましたが、かないませんでした。 この間、県教委に対し、2度の団体交渉、5度にわたる要請・懇談を行いました。6月10日には、教育長との懇談もしました。 「反対署名」は、最終的に250校以上から、1万1600筆を集めました。また、岐阜教組が独自の教育長に宛てた「私たちの声を聞いてください~メッセージカード」は150人分にのぼりました。

 今回の賃下げ提案は、国が地方交付税を減らして、「国からの要請」という名目で賃下げを迫る理不尽なものでした。県議会では反対の意見書を採択し、県内の市長会でも反対の決議をあげました。 県教委は交渉当初、「苦渋の選択」「ご理解願いたい」としか答えられませんでした。 しかし、2度目の交渉時には「一時金の削減と諸手当への連動を取り下げ」、「削減率も下げる」という成果をあげました。 削減金額(年収ベース)の試算では、昨年度までの1年間の「県の独自カット」をわずかに下回るという内容です。 県は、6月11日の県議会開会日に議案を上程できず、県当局としても、苦悩していたようです。そして、6月18日に「最終」として、さらに削減率を縮小した提案を組合にしました。その後、6月19日に議案が県議会に上程されるに至りました。 他県でも期末勤勉手当と諸手当への連動を取りやめることが相次ぎました。他県に比べ岐阜県の削減率は低くなっています。こうした成果は、組合連でとりくめたからこそといえます。今後とも、組合連の活動にご理解とご協力をお願いします。

今回のとりくみの経緯

4月23日 組合連は古田県知事・松川教育長に「賃金引き下げを行わないこと」を要請。

4月26日 県下全ての公立学校に、「署名ご協力のお願い」と「賃金引き下げ反対署名用紙」を送付。

5月13日 県人事委員会に対して「国家公務員給与の臨時特例措置の影響を及ぼさないこと」を要請。

5月17日 県教委から組合連に対し、1回目の提案。

5月24日 第1回県教委交渉組合連は、一貫して「賃金削減反対・提案撤回」を求め、次の4点を訴える。

①学校現場で誠実に働いている教職員の実態や切実な声。

②地方自治の原則を踏みにじり、人事委員会制度を無視するものである。

③引き下げる時は「県独自の都合」、「国からの要請」と2つのスタンスををとることは矛盾している。

④度重なる賃下げで、教職員のモチベーションは下がる一方である。県教委としてできることはないのか。

6月5日 県教委から、組合連へ2回目の提案。削減率縮小と、期末勤勉手当・諸手当への連動は無しに。

6月7日 第2回県教委交渉組合連として、次の点を訴える。

①あくまでも撤回を求める。

②県教委としてできることを考え、「働きがいのある職場づくり」をしてほしい。

6月10日 岐阜教組、県教育長と懇談。6月17日 県教委へ再度要請。

6月18日 県教委から、組合連へ3回目の提案。カット率をさらに引き下げる。