【報告】9/19 岐阜県人事委員会に要請

組合の粘り強い働きかけで「現給保障」継続を検討

人事委員会に要請書を手渡す岩佐委員長
人事委員会に要請書を手渡す岩佐委員長

 人事委員会勧告に先立ち、岐阜教組は9月19日に岐阜県人事委員会に対し要請を行いました。内容は「退職手当の大幅削減をしないこと」「50歳代後半の昇給停止を勧告しないこと」「現給保障制度を廃止しないこと」などです。 人事委員会からは、「特に小中学校で早期退職者が多いのはなぜか」と質問がありました。委員長、書記長が学校現場での長時間過密勤務の実態や働く条件の厳しさについて「組合連ニュース9月15日号」を手渡しながら訴えました。 9月27日に人事委員会勧告がありましたが、「55歳を超える職員は、標準の勤務成績では昇給しないこと(現行は2号給昇給)」を出したものの、「現給保障の廃止」については、「検討していく必要がある」との報告にとどめました。組合が、何度も粘り強く働きかけてきた成果です。

 


2012年9月19日

岐阜県人事委員会

事務局長 増田好則 様

岐阜県教職員組合

執行委員長 岩佐孝

 

2012年人事委員会勧告にむけた要求書

 

 日頃,地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けてご尽力いただいていることに,心より敬意を表します。また,岐阜県組合連絡会議の活動に何かとご協力くださりありがとうございます。

 さて,岐阜県では,人事委員会勧告制度の趣旨から逸脱した臨時的給与抑制が4年連続で続いてきました。今年度で給与抑制は終わると明言されていますが,教職員の生活の厳しさは限界に来ています。わたしたち教職員は,このような状況でも子ども,教育のために力を注いでいます。しかし,国家公務員の退職手当法の「改正」の動きがあり,「地方公務員にも波及は避けられないのか。」と落胆と怒りが広がっています。

 また,今年度の岐阜県教職員組合連絡会議の勤務実態調査では,75%の職員が健康破壊ラインを超える長時間労働をしているという実態が判明しました。この状況の改善は急務となっています。さらに,臨時教職員の労働条件改善やメンタルヘルス対策強化などが求められます。

こうした情勢の下で,人事委員会勧告にあたり,貴職が,教職員・県職員等が生活の不安なしに職務に専念できるよう,以下の重点要求に対して誠意を持って検討し,実現に努力するよう求めます。

 

 

1 賃金の改善等について

(1) 従来にもまして厳正・精確な官民給与水準の把握に努めるとともに,公務員給与を職員の生活労働の実態にふさわしい水準に改善すること。

(2) 給与構造改革に伴う現給保障措置を廃止しないこと。

(3) 教育職(二)(三)表の号給足伸ばしを行うこと。

(4) 一時金について,年間支給月数を改善するとともに勤勉手当の割合を縮小すること。

(5) 55歳を超える職員の昇給を原則停止するなど年齢による賃金差別を行わないこと。

 

2 労働時間短縮,休暇制度改善等について

 超過勤務時間の縮減をはじめ,総実勤務時間短縮に向けた実効ある取り組みを引き続き強力に推進すること。

 

3 新たな高齢期雇用制度の検討について

(1) 職員が健康で働き続けられるよう職場環境整備に努めること。

(2) 新たな高齢者雇用雇用政策については,65歳までの段階的定年延長を実現するため,直ちに意見の申し出を行うこと。

(3) 退職金については,現行の水準を維持し,早期退職に対する割り増しなどの拡充をはかるよう働きかけること。

 

4 健康・安全確保,母性保護等について

(1) 心の病の発生を予防するため,「心の健康づくり」に向けた対策を充実・強化すること。

(2) パワーハラスメントに対する指針を策定し,具体的な対策を講じること。

 

5 臨時的任用教職員の処遇改善について

(1) 臨時教職員の身分と待遇を,正規教職員との均等待遇を基本に改善すること。

(2) 任用中断日を廃止すること。

 

以 上