ほんりゅう 反対側から見ると - 岩佐

◆生徒指導部にいた関係で、生徒と先生のトラブルをおさめる立場になることがしばしばありました。両者の言い分が180度違っていることがほとんどでした。間に入って話を進めていくうちに両者の言い分の共通部分は出てくるのですが、食い違う部分が大きく残ります。これには毎回苦労させられました。言い分の共通部分から、起こったことの問題点を洗い出し、子どもたちとじっくり話をすることにしていました。ですから、子どもたちも納得せざるを得なかったようでした。心の中では、「事実は先生方の言い分に近いのだ。しかし、子どもたちが理解できないのでは仕方がない」と思いながら、そのような対応をしていたのでした。◆先日、知り合いの子どもさんから卒業した学校での生活を聞く機会がありました。偶然ですが、その学校に勤めていた元同僚から、その当時の学校の雰囲気を聞く機会が別にあったのです。たぶん同じ出来事なのだろうなと思う話がいくつか出てきました。おもしろいことに、両者でまったく見え方が違っていることがいくつもありました。私にとって久々の「目から鱗が落ちる」体験でした。◆前半に書いた話とはちょっと違いますが、同じ立場にいる側の視点は、やはり、納得しやすいわけです。子どもたちの側からは、まったく違うものに見えていたのかもしれません。それがわかったうえで子どもたちを見ることが必要じゃないかと思ったわけです。いい勉強になりました。