ほんりゅう 負げねど飯舘 - 国枝

 3月11日以来、この国のこれまでの姿勢と、学校教育がそれにどう関わってきたかが気になってならない。だからこそいろいろと動いてみたもの、何か割り切れない。

 福島の、放射能に晒されているところを体験していないことと、放射能が人体に及ぼす影響に関して諸説入り乱れ、自分の中で整理できていないのが原因だが、今のところどうすることもできない。

 そんな思いをひきずっている最中、「愛する飯舘村を還せプロジェクト 負げねど飯舘!!」の発起人佐藤健太さんのお話を聞く機会があった。2011地域民主教育全国交流研究会恵那集会開会集会での特別報告だったのだが、飯舘で生活せざるを得ない人の想いが伝わってきて心に残った。

 彼は「東電に対して怒りはない。あるのは不安や憤りばかりだ」と言われた。

 線量の測定値は上がるが、具体的な指示は出ず、最初は大丈夫だと言われるばかり。それが一ヶ月以上経って、この間の被曝については特に触れることもなく計画的避難区域に指定され、避難することが求められた。

 子ども達が気がかりだった。被曝の事実から逃れられない以上、これからどうやって健康を管理していったらよいか。放射能から子どもを守り、育てていくために立ちあがった。

 最後に「今福島でできる(被曝線量の)基準が世界基準なっていく可能性が強い。だからこそ、厳しい目で見ていきたい」と言われたが、今もこの言葉が脳裏にこびりついて離れない。