ほんりゅう ていねいに「言葉を届ける」

 ある小学校で起きた死亡事故に関わる裁判の記事を読みました。ご両親には自分の子どもに何が起きたのかを知りたいという思いとともに、「学校に対するぬぐいがたい不信感」があるというのです。▼事故の当日、緊急連絡先が学校に届けた所と違っていてなかなか連絡がつかず、やっと病院に到着したご両親に、学校側が真っ先にかけた言葉が「連絡先が変わったら知らせてください。」だったというのです。まさかと耳を疑うような話で、ご両親の気持ちを察するといたたまれなくなります。▼しかし…、ここからは私の勝手な想像です。もし自分が当事者なら、連絡に手間取ったお詫びの意味で、「連絡先が違っていたので連絡が遅くなってしまい、申し訳ありません。」といった趣旨のことを言うのではないか。しかし、この言葉は非難ととられる可能性はあります。もちろん事実関係がどうだったかは私にはわかりませんが、ひょっとしたら、この記事のケースも、そんなちょっとしたボタンの掛け違いから起こったのかもしれないなどと思わずにはいられません。▼新年度を迎え、新たな人間関係づくりの中で、ていねいに「言葉を届ける」ということについて考えさせられた記事でした。(柏瀬)