ほんりゅう 国民が試された選挙 - 国枝

 この号を皆さんが読むころには参院選の結果がわかっていることと思う。▼ボクは社会科の教員になって35年目になるが、今でも大学時代社会科教育法の講義で聴いた「社会科は社会化のための教科である」という言葉を大切に、「これがどれだけ実践できているか」を日々振り返りながら教員として打ち込んでいる。▼自民党は野党であった昨年4月、『日本国憲法改正草案』を発表した。昨年末の総選挙でこの草案が注目されることは少なかったが、今回は状況が違う。自民党は政権党となり、責任が格段に増したにも関わらず、「憲法草案」を改めようとしない。「国家の暴走から国民を守る」という、人類が築き上げてきた叡智ともいえる憲法の理念を覆し、「国民が国家に従うこと」を求める憲法にされかねない。▼改憲問題に関しては、高い支持率を良いことに96条改憲で勝負をかけようとしたが、風向きが悪いと見ると選挙の争点から取り下げた。しかし、これまでの手口からみて、国政レベルの選挙がない今後3年間で、改憲問題に手をつけてくる可能性は否定できない。▼今回の参院選ほど主権者としての一人ひとりのあり方が問われた選挙はないと思う。多くの人が、表向きのデータや選挙の口約束に惑わされず、自分にとってどんな国が良いのかを意識して投票してくれるよう、できるだけメッセージを送ってきたつもりだ。一人でも多くの教え子たちが、投票所に足を運んでくれたなら、社会科教師としてこんな嬉しいことはない。